もぐもぐコラム

食の大切さ

「おいしい信州ふーど」とは、長野県産の農畜水産物、主原料が長野県産の加工食品、長野県の環境・歴史・風土に根差した郷土食等のことをいい、その中でも厳選素材「プレミアム」、長野県で開発された新品種「オリジナル」、郷土食や食文化「ヘリテイジ」の三つのキーワードが詰まった信州産食材があります。

長野県は、野菜、果物など農産物、牛、豚、鶏など畜産物が豊富な食材王国で、何より自然が多くあり、水、空気がおいしいことが魅力です。

現代の食糧事情は極めて豊かであって、世界中の食べ物が容易に入手できる状況にあります。そこで、まず初めに取り組むべきことの一つは、食事を大切にする心、食べ物を大切にする心を育むことです。

長野県地産地消推進キャラクター「旬ちゃん」が誕生した平成20年から、私は“食べることの大切さ”を提唱し、「旬ちゃん」と一緒に長野県内小中学校を訪問して調理を通じた学習を行っています。

また、平成24 年からは、長野県内の調理人などと一緒に本キャンペーン推進委員会の協力を得て、「おいしい信州ふーど」である信州産の食材を使い、小学校3年生から6年生を対象に「味覚の一週間」という授業を実施しています。

授業では、和食・洋食・中華のシェフ、パティシエなどの調理人や、栄養士、生産者と共に味の基本や五感を使って食べる大切さを教えています。

この事業は全世界で10月の第3週に一斉に行われます。日本国内は「味覚の一週間実行委員会日本事務局」が開催し、長野県では平成30年までの7年間で1,200人ほどの子供たちが学習に参加しています。

授業は、小学校3・4年生と5・6年生に分かれ実施しています。

主に味蕾(みらい)が発達段階にある3・4年生は味覚キットを使って学習します。五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)を活用しながら味の基本となる「塩味」、「酸味」、「苦味」、「甘味」と、世界遺産に登録された「和食」の根源、第五の味と言われる「うま味」を加えた五味について、知識や味わうことの楽しみに触れる体験型学習となっています。

5・6年生は、3・4年生の学習内容にプラスして信州の野菜などを使った調理実習を行い学習しています。

毎回、授業の開始時、児童に「今日は朝食を食べてきた!?」と質問しています。現代では朝は忙しく朝食を抜いてしまう家庭が多くなっていますが、朝食は、太陽の光と共に体、脳を働かせる「スターター」であり、必要不可欠なものです。

バランスのとれた生活スタイルの中で食べ物の役割の重要性を考え、食べ物のルーツである原産地、生産方法、質を「おいしい信州ふーど」で追及してみませんか。豊かな心は豊かな味覚から生まれるのではないでしょうか。


板花 芳博
おいしい信州ふーど公使
板花 芳博さん
ロティスリー ル・ボヌール”板花“(安曇野市) 代表
長野県信州ジビエ研究会 需要拡大部会長
内閣府認定公益社団法人全日本司厨士協会長野県本部 相談役
社団法人長野県調理師会松本広域支部理事 安曇野調理師会 副会長