もぐもぐコラム

信州の食用きのこは、てっぺん!

長野県の栽培きのこは、エノキタケ、ブナシメジ、エリンギなど合計で全国生産量の約3分の1のシェアがあるのはご存知ですか?もちろん全国トップです。

その背景は何でしょうか?日本における栽培きのこの草分けは、京都の森本彦三郎氏であり、昭和3年純粋培養によるエノキタケの栽培方法を開発し、奨励しました。その後、長野県屋代中学校(現屋代高校)の長谷川五作先生が、ガラス瓶を使ってエノキタケ栽培を成功させ、さらに、同じ松代町(現長野市松代)出身の寺川信氏が暗室で紙を巻いた栽培方法で特許を取りました。今日に通じるエノキタケは、今から60年前、農業高校の先生、県職員、熱心な農家によって、出稼ぎ対策、冬の換金作目として普及しました。さらにJAグループや関連企業の努力もあり、日進月歩の歩みを進めて日本一の生産県となったのです。

〈きのこパワーは、総合力〉

きのこの機能性は、50年前のエノキタケの制癌研究に端を発し、今や、きのこの機能性がどんどん研究されています。例えば、ブナシメジ、マイタケなどもガン予防、免疫力が向上するきのことして評価されています。また20年前、女性にうれしい活性酸素消去作用(抗酸化作用)は、エノキタケ、ブナシメジ、ヒラタケなどに、なんとビタミンCを多く含むレモン汁よりも強い作用があると報告されました。さらに、きのこの食物繊維(ベータグルカン)は、ダイエットや脂質異常改善に有効な働きがあると言われています。きのこに含まれるさまざまな成分が、ヒトの健康に役立っているのです。でも、これを日々どのように食べるかが大事ですね。

〈継続できるえのき氷味噌汁〉

きのこは乾燥、冷凍、ペーストができます。そして手を加えることで、旨味が増し機能性もアップします。中でも7年前全国的に話題となった『えのき氷』は、機能性研究に5年の歳月をかけています。

えのき氷

私は、えのき氷誕生以来あしかけ10年、日々えのき氷の味噌汁を食べています。我が家の年間エノキタケ消費量は70kgです。そして、継続の源である味噌も、長野県が日本一というのも誇りです。

今夏は、きのこドライカレーがブーム。夏バテ対策に最高です。ここにもえのき氷が入ります。

きのこドライカレー


前澤 憲雄
おいしい信州ふーど公使
前澤 憲雄さん
一般社団法人 日本きのこマイスター協会理事長
元JA中野市常務理事 県JAグループきのこ専門委員会長等を歴任
日本きのこ学会評議員
北信州農業道場長