もぐもぐコラム

vol.10 板花公使 味覚の大切さ

現代の裕福な時代、「食べる」ということが当たり前の中で「味わう」ことの大切さや楽しさをあらためて感じる2020年でした。

新型コロナウイルスの症状の中には、一時的に味覚や嗅覚が失われてしまうことがあると言われており、命や日常生活を脅かしています。

生活して命をつなぐためには「食べる」ことが必要であり、その営みは「味わう喜び」から命の恵みへの感謝へとつながっていきます。

本年度も「旬ちゃん」と和食・洋食・中華のシェフ、パティシエなどの調理人、栄養士、生産者とともに味の基本や五感を使って「食べることの大切さ」を子どもたちに伝える授業を行い、一緒に楽しく勉強をしました。

子どもたちの味覚を育てる授業は世界的な動きでもあります。フランスを中心として2019年までは全世界共通で10月の第3週に実施していましたが、2020年は特例で9~12月に行われていました。長野県内では三密を避け、換気をした教室で4校ほど、小学校3~6年生を対象に行いました。

授業は「味覚」「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」など五感で味を感じるよう長野県産エノキタケ、大根、人参、松本一本ねぎ、田舎みそなど素材の「五味」である「酸味」「塩味」「苦味」「甘味」を確認し、「うま味」はかつお節を削る体験や10㍍もある昆布を触って田舎みそを使ったみそ汁の調理実習を行い、味覚の奥深さを学びました。

子どもたちは「最高の味」「だしの味がじんわりしみこんですごくおいしい」「だしのひき方を教わったので家で作って家族に食べさせてあげたい」と目を輝かせながら味わっていました。

新型コロナウイルス感染拡大もまだ懸念されます。手洗い、うがいをこまめにして、外出時はマスクを着け、三密を避けて自分自身で体調を管理しましょう。


板花 芳博
おいしい信州ふーど公使
板花 芳博さん
ロティスリー ル・ボヌール”板花“(安曇野市) 代表
長野県信州ジビエ研究会 需要拡大部会長
内閣府認定公益社団法人全日本司厨士協会長野県本部 相談役
社団法人長野県調理師会松本広域支部理事 安曇野調理師会 副会長