もぐもぐコラム

vol.1 横山公使 こんな時こそ地元食でバランスを 

「スーパーの売場で売れ残っているのは乾麺と乾そばで、スパゲティはないんです」と、東京の友達からの電話です。新型コロナウイルスまん延のさなか、都会の方々は主食にスパゲティを食べる人が多いんだなあと驚いています。地元でも、納豆の棚はすきずきしており、慌てて発酵食品を買い求める人が多いのでしょうか。

私が日ごろ、食卓に心掛けていることは、バランスです。主食5、植物性タンパク質(納豆など)1、動物性タンパク質(小魚など)1、野菜が3の割合で、一汁三菜が出来上がりますが、私はそこに野菜の発酵品である漬物を加え、一汁四菜がわが家の定番。もちろん、この割合は年齢や職業など個人差があり、あくまでも簡単な目安ですが。

和食で食卓を調えると、何と、発酵食品の多いことでしょう。みそ、しょう油、酢、酒などの調味料から納豆、漬物まで。

昨年の晩秋に漬け込んだ野沢菜は、酸味を増して、べっ甲色です。冷たい水で洗われ、塩をまぶし、重たい石を載せられ、初めて発酵に進みます。そんな荒波にもまれるようにして作られた漬物は、なかなかの苦労人です。たくさんの乳酸菌を抱え、信州人の腸を守ってくれます。家食では、外国のメニューに振り回されることなく、昔からの郷土料理にちなんだ料理方法と食べ方が、一番合うと信じています。

さて、外出を控えている毎日。ちょっと豪華なメニューの紹介です。

○牛肉のみそ漬けに菜の花添え

牛肉 200㌘

みそ 大さじ2

油  大さじ1

牛肉にみそをまぶし、一晩おき、次の日、油を熱したフライパンで焼く。みそは少ないので、洗わずに一緒に食べる。菜の花はゆでたり、ソティーにして添える。

おいしい地元食材を食べ、元気にのり越えましょう。

 

※このコラムは4/26(日)信濃毎日新聞朝刊 「おいしい信州ふーど」キャンペーン広告内に掲載されたものです。


横山タカ子
おいしい信州ふーど公使
横山タカ子さん
郷土料理研究家
2009年知事表彰(産業功労賞)受賞
長年テレビ、ラジオにレギュラー出演
NHK「きょうの料理」講師